その9-指導法について

12回に分けて、これまで指導したいろいろな方々からの質問と回答を紹介します。
この質疑を読んで、改めて、ご自分が「へー」と思った質問回答を3つ挙げて、どこが「へー」だったのか、最終回までに書いてください。
そして、課題として「新しい質問を1つ以上」作ってください。
提出方法は最終回にお知らせするので、忘れないようにしてください。

いままでの講習会では、仲間の感想を聞いて、意見を述べて、いいディスカッションができました。
新しい質問も増えました、毎年増やしていいものを作っていきたいと思います。

指導法について

Q57:かかと上げは、かかとをゆっくり上げてゆっくり落とす方法と、ゆっくり上げて早く落とす(ストンと落とす)方法の2つのやり方を聞いたことがあります。どちらのやり方のほうが理想的なのか教えてください。

踵を上げるのは下腿三頭筋の短縮性収縮による仕事で、ゆっくりと踵を下ろすときは伸長性収縮による仕事です。ゆっくり上げ下げすることは筋活動を増やします。  伸長性収縮のほうが大きな力が出ます。階段のヘリにつま先で立って、はみ出ている踵をさらに下へ下ろしてやるといい筋トレになります。
あげた踵をストンと下ろして踵に衝撃を与えて下肢の骨塩量を高めるという戦略は骨粗鬆症対策にいいと思います。柏手を数週間続けたら前腕の骨密度が上がったという話があります。カカト落としは八段錦の最後の体操です。背骨を震わせるようにと行うと、リラックスしてきます。
しかし、筋力向上にはゆっくり下すのがいいかなと思います。剣道選手の踵の骨密度では踏み込む右足より、ジャンプする左足のほうが高いという事実があります。筋力があるほうの骨の骨密度が高いのです。
それを考えるともう一つあるなと思いつきました。筋トレには縄とびがいいかもしれません。高齢者には安全のために縄なしで、ジャンプはしないでやる「エアー縄跳び」を勧めています。カカトの上げ下ろしと手の動きを同調させるのは結構むつかしいですよ。

Q58:ワイパー体操の回数は?

ワイパー体操に限らず、何回したらいいのかとよく聞かれますが、寝るとき、起きたとき、帰宅したとき、腹ばいになったとき、気になったとき、左右5, 6回ずつと指導します。数字にとらわれずに続けることを考えてといいます。運動のセット数の目安は、くすりと思って1日3セットというときもあります。スクワットは1日10セット「三食寝る前トイレのたびに」ということばを紹介しています。必ずやるときにくっつけてといいます。壁体操の頻度回数は、若い人には10回10セット、1回は重りを持って、お年寄りには3回でもいいから10セットやろうと指導しています。 

Q59:ワイパー体操、腹這い体操の指導のコツを教えてください

中年過ぎると腹ばいになる習慣がなくなる人が多いようです。まずリカバリーポジションでうつぶせに慣れてもらいましょう。また肘をついて胸お腹を伸ばすと言うだけで大腰筋のストレッチになり、腰痛対策になります。1分2分気持ちいいところまではらばいで寝ているというのもいいと思います。ワイパーはなかなかイメージがわかない人もいるので、隣に座り背中、骨盤と一緒に動かしてあげるのかいいと思います。誰かとペアにして足腰背中を動かしてあげるといいと思いますがコロナのご時世では控えたほうがいいかもしれません。

Q60:スクワットの動きの中でハムストリングの意識と大殿筋の意識も大切だと思うがどうですか。

足腰を痛がる患者の中で大殿筋の収縮が弱い人、使えないヒトが多いと感じています。スポーツ選手の身体では大きな背中と大きなお尻が必要であると思っています。そういう意味では大殿筋も意識して力を発揮するといいでしょう。大股の腰割、スクワットと四股などが良さそうです。  

Q61:八段錦はどこがいいのですか?

長い歴史の中で伝えられてきた、選ばれてきたものだという事実です。
シンプルな動きで覚えやすい、教えやすい点がいいと思います。八つの動きの中には、3つのエス、スクワット、ストレッチ、背骨の動きが含まれています。
また上肢帯のいろいろな方向への動きがあるのもいいと思います。

Q62:八段錦の『踵おろし』は、椅坐位で行った場合、背骨への振動伝播はなくても、下腿や大腿の骨にはそれなりの衝撃・効果があるでしょうか?

それなりにしかないと思いますがやらないよりはやるほうがいいでしょう。

Q63:骨粗鬆症対策になりうる座りながらできる運動があれば教えてください。

手を尻の両側に着いて、尻を上げ落とす。坐骨に衝撃を感じるように行います。高度なテクニックとして左右片側落としをする。左右を比べるようにします。

Q64:顔だけ動かす、笑顔を作るような運動もいいでしょうか?

笑顔体操いいですね。アイウベ体操もいいですよ。
美立SSS体操をさしすせそと教えています。短歌のリズムです。
さあ笑顔 しゃがんで立って すじのばし せぼねをほぐす それを毎日

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