その2-痛い人に対して

12回に分けて、これまで指導したいろいろな方々からの質問と回答を紹介します。
この質疑を読んで、改めて、ご自分が「へー」と思った質問回答を3つ挙げて、どこが「へー」だったのか、最終回までに書いてください。
そして、課題として「新しい質問を1つ以上」作ってください。
提出方法は最終回にお知らせするので、忘れないようにしてください。

いままでの講習会では、仲間の感想を聞いて、意見を述べて、いいディスカッションができました。
新しい質問も増えました、毎年増やしていいものを作っていきたいと思います。

痛い人に対して

Q9:膝痛時の運動について、痛みがあっても我慢ができれば美立体操をしても良いのか?また、運動後に痛みが強く出てしまう場合はどのような指導をしたら良いか? 教えてください。

もし、じっとしていても痛いという人は対象外です。整形外科にかかって調べてもらいましょう。
みなさんの対象者の膝関節痛は、慢性の変形性関節症だと思います。この病気の初期の症状は歩き始めが痛い、歩き終わった後が痛いという状態です。進行すると歩いていてずっと痛い、最後ははじめから歩くと痛くて歩けないという状態になります。しかし、安静時痛はありません。
かなり進行した人でもカベのコーナースクワットをやってもらってください。股関節が開かない人は60度くらいの角度にして、足と膝の向きを同じにして行います。ほとんどの方は痛くないといいます。痛いという人でも浅い角度で行うと痛く無くできます。また、ハムストリング筋に力を入れることが分かると痛くなくなります。試してください。歩くと痛いという人も、カベでは痛くないことを体感すると、工夫して歩けるようになります。
スクワットが上手にできるようになったら、次にやってほしいことはレッグランジの指導です。レッグランジとは一歩踏み込む動作です。このときにつま先と膝が同じ方向を向いているか、太腿の大腿四頭筋とハムストリング筋が同時収縮しているか確かめるよう指導してください。このレッグランジができるようになったら、歩いても痛みはなくなるでしょう。 

Q10:スクワットで、膝のお皿周りに音がしたり、曲げると痛がる人にはどうしたらいいか?

ハムストリング筋に力を入れてスクワットする技術を教えて下さい。おそらく、スクワットしたときにハムストリング筋がふにゃふにゃだと思います。大腿四頭筋の使いすぎ症候群といえるでしょう。こういう人には、レジェンドのスクワットを勧めています。スキーのジャンプの助走の姿勢を取るスクワットトレーニングです。開発当時、有名だったジャンプの葛西紀明選手がレジェンドと呼ばれていたのでこう名付けました。ジャンプの助走姿勢をイメージして、イスに座った状態から、上半身を深く前傾し、両手を後に上げて、イスから尻を上げると深いスクワットで尻とハムストリングに筋緊張がおこります。スクワットは股関節主役で行うべきです、膝が主役になると四頭筋だけで曲げ伸ばしてハムストリングが緩んだままとなります。膝にはとてもつらい仕事になります。要するにいつも言う、曲げた膝頭がつま先を超えないという注意です。

 Q11:脊柱管狭窄症の症状のある方に効果がある体操を具体的に教えてください。

脊柱管狭窄症は脊椎の変形や椎間板の突出、靭帯の硬化、骨化などで起こる脊柱管内での神経の圧迫により症状が出ると考えられています。椅子に座っているときはなんともないが、歩くと腰痛、下肢痛がおこるというものです。脊椎や椎間板の変性は脊椎に無理をかける身体の使い方をいままで行ってきた結果であると考えて、今までの無理な使い方を変えてもらいます。つまり、スムーズな脊椎の動きと脊椎を支える筋肉の強化を図ります。
腹ばい体操、四つ這い体操では多くの場合、痛みは起きません。全体でスムーズに動かすからだと思います。さらに、匍匐運動やスクワットでしっかりと体幹の強化を図ることで症状の軽快を期待できます。
さらに行うのはランジ、三歩目大股歩きです。三歩目に大股で踏み込む筋トレと三歩目にストレッチしながら歩きましょう。力を入れるのは慣れてきたら三歩目でも二歩目でも一歩目でも好きなタイミングでいいでしょう。きつい人には5歩目、7歩目でもいいと思います。奇数だと右と左を意識できるからです。理想はいちいちと左右差なく歩くことです。

Q12:腰痛のお客様のほぼ全員が、脊柱管狭窄症と診断されてきます。みなさん手術を勧められてくるのですが、背骨ほぐしの体操などで症状が軽快されることも多々あります。ただ、運動をさぼるとまた症状が出ます。運動で軽快するのであれば、手術は必要ないでしょうか。

そう思いますが、本人はどう思っているのかですね。本人のやる気が決定権を持っています。

Q13:腰痛を抱える人で朝起床時の下腿痛、しびれの対処法。

寝る前、起床時の背骨の手入れと日々の体操です。朝起きたら、もぞもぞと背骨と下肢を伸ばして、真向法をする。ウォームアップをすることでしょう

Q14: 先生の外来で腰の痛みが治るのはどのくらいか?再発率は?

週1回の外来での経験であり、ヒトによって違うのですが、やってくれると1週間で軽くなると思います。そして続けているとだいたい3週間で痛みは取れると思います。SLRの改善はなかなか時間がかかります。再発率は分かりません。軽くなれば来なくなるからです。しかし、しばらくして、また痛くなって来ることはよくあることです。また同じことを指導します。アスリートには練習に耐えるにはもっと基礎の筋力を強くしないと再発しますよと説明しています。

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